武骨な四角いボディ、遊び心溢れたシンプルな内装、本格四駆を体感できる走行性能。
これら全てを備えた車、SUZUKI ジムニー。
発売から2年が経とうとしている現在でも納期は約1年という大人気っぷりです。
評判の良さには上に書いたような理由があります。
しかし!新型ジムニーも決して高評価ばかりではなく、もちろん悪い評価もあります。
その悪い意見の筆頭が「燃費が悪い」です。
今回は大人気車種の新型ジムニーの数少ない悪評の一つである「燃費が悪い」について、
- 本当にジムニーは燃費が悪いのか?
- 悪いとして、その理由は?に
ついて説明していきたいと思います。
新型ジムニーの燃費は悪いの?カタログと実燃費を比較!
JB64W 新型ジムニー 燃費 19′ 6/8 pic.twitter.com/MKDF9jYF5y
— ち ょ ふ@DSM Japan (@ECLIPSE_GSX_99) June 8, 2019
まずは、新型ジムニーの5MT、4ATそれぞれの場合のカタログ燃費を確認してみましょう。
実際の燃費とどれくらいの差があるのかを見ていきます。
新型ジムニーのカタログ燃費
ジムニー 5MT |
ジムニー 4AT |
ハスラー HYBRID Xターボ |
コペンCV | |
燃料消費率※1(国土交通省審査値)(WLTCモード※2) | 14.6㎞/L | 13.2㎞/L | 22.6㎞/L | 19.2㎞/L |
市街地モード | 17.5㎞/L | 14.6㎞/L | 19.7㎞/L | 15.2㎞/L |
郊外モード | 17.5㎞/L | 17.5㎞/L | 24.4㎞/L | 20.5㎞/L |
高速道路モード | 16.5㎞/L | 16.5㎞/L | 23.0㎞/L | 20.6㎞/L |
- ※1 燃料消費率は定められた試験条件での値です。
お客様の使用環境(気象、渋滞等)や運転方法(急発進、エアコン使用等)に応じて燃料消費率は異なります。 - ※2 WLTCモード:市街地、郊外、高速道路の各走行モードを平均的な使用時間配分で構成した国際的な走行モード。
市街地モード:信号や渋滞等の影響を受ける比較的低速な走行を想定。
郊外モード:信号や渋滞等の影響をあまり受けない走行を想定。
高速道路モード:高速道路等での走行を想定。
以上がSUZUKIのホームページで確認してきた新型ジムニー5MT/4ATそれぞれのカタログ燃費です。
ジムニーだけで見ても燃費が良いのか悪いのか判断できないので、同じSUZUKIの遊べる車 ハスラーと、同じく遊べる車 ダイハツ コペンのカタログ燃費と比較してみました。
カタログ燃費で比較すると、やはりジムニーが一番燃費が悪い事が分かりました。
最近の良燃費を謳った軽自動車であれば、カタログ燃費で25~30㎞/Lオーバーの燃費はざらにあります。
しかし、あくまでもカタログ燃費です。実燃費はそんなに変わらないかもしれません。
という事で、次項では実際に新型ジムニーに乗られている方の意見を口コミサイトやTwitterなどで集めて、ハスラー、コペンと比較してみます。
新型ジムニーの実燃費
新型ジムニー 燃費 AT
カタログ通り pic.twitter.com/Q2XZS96h5H
— ひゅうが (@o1319556) May 30, 2019
それでは、口コミサイト、Twitterから収集した新型ジムニー、ハスラー、コペンの実燃費を比較していきたいと思います。
口コミ調査による新型ジムニーの実燃費
まずは、我らが大人気車種、本格軽4WDを備えたグッドルッキングカー!
納期は驚異の1年越え!新型ジムニーの実燃費に関する声を確認しましょう。
1トン超えですから頑張っている方では?
燃費を気にして乗るクルマでもないし、まあまあ合格点です。
口コミを確認すると、5MT/4AT共にカタログ燃費相当の実力は発揮できている印象です。
先代ジムニーから「ジムニーは燃費が悪い」「ジムニーに燃費を求めるのはナンセンス」というイメージがありましたが、新型では現代のユーザーが求める燃費感に沿って、若干の改善がされているという印象です。
なので、思っていたよりは燃費に対して良い意見は多いですが、あくまで「ジムニーにしては」という条件付きな印象も受けます。
同世代の軽自動車と燃費だけを比較すると、ダントツで悪いですからね(笑)
口コミ調査によるハスラー、コペンの実燃費
それでは、新型ジムニーと似たようなコンセプトの2車種の実燃費を調査してみましたので、確認していきましょう。
ハスラー
街乗りで23キロ位かなー
ハスラーに関してはカタログ燃費よりも高い燃費を報告されている方が多かったです。
やはり、燃費の良さを売りにしている事だけの事はあり、燃費は良いです。
ジムニーと比べると、約10㎞/Lほど燃費が良いですね。
コペン
ジムニーと比べると、約5㎞/Lほど燃費が良いですね。
新型ジムニーのカタログ燃費と実燃費の比較まとめ
口コミを基に実燃費を調査してみた結果、ジムニーはカタログ燃費相当の実力は発揮しています。
一方で、そもそもカタログ燃費が同コンセプトの車と比較しても低いので、他の軽自動車と比較すると燃費が悪いという印象になります。
歴代のジムニーを知っている方からすれば、ジムニーにしては燃費良いじゃないか。となっている印象でした。
新型ジムニーの燃費が悪い理由とは?
それでは、なぜ現代の軽自動車にも関わらず、他の軽自動車よりも燃費が悪いのかを説明していきたいと思います。
新型ジムニーの燃費が悪い理由としては、以下の4点が考えられます。
- 車体が重すぎる
- ターボエンジンを搭載している
- 今時ビックリの4AT
- 本格的なクロスカントリー車
それぞれについて説明していきます。
車体が重すぎる
ジムニーの一番軽いモデルでも1030㎏。軽自動車にして驚異の1t超えです。
ちなみにハスラーは810~880㎏、コペンは850~870㎏です。
車体の重さは燃費の悪さに直結します。
重い物を動かす方がエネルギーがかかるのは当然ですよね。
この車体の重さが燃費の悪い原因の筆頭です。
ターボエンジンを搭載している
ターボエンジンは速く走るための加速エンジンなので、エネルギーを多く使います
よって、必然的に燃費は悪化します。
燃費を犠牲にはしますが、走りの力強さは向上します。
燃費の良さを犠牲にして走りの良さを追求している。
何ともジムニーらしくて、好印象を受けますね。
それに加えて、前述した通り車体が重いので、この車重を補って走行性能を高める為にはターボエンジンじゃなくてはならなかったというのも理由の一つです。
今時ビックリの4AT
昨今の軽自動車のオートマチックトランスミッションの主流はCVT(無段変速機)です。
無断変速機という名の通り、ギヤチェンジという概念がなく、無断で変速していきます。
なので、変速時に発生する変速ロスを減らすことができるので、ATと比べて燃費が向上します。
じゃあなぜ新型ジムニーは主流のCVTではなく、旧世代の4ATを採用しているのか?という疑問が浮かびますよね。
これにもジムニーらしい理由があります。
CVTは大出力に耐えられる程頑丈ではないので、ジムニーの重い車体、それを補うためのターボエンジン、これらのパワーに対してCVTではダメだったんでしょうね。
このジムニーの車重、ターボエンジンに見合うCVTを開発する費用が無かったのではないかとも想像できます。
CVTにする事で車体価格も上がるので、このような理由から今回は4ATが採用されたのではないでしょうか。
本格的なクロスカントリー車
ジムニーが本格四駆であるという事は周知の事実です。世界的にも周知されています。
そんな本格四駆であるが故に、過酷なオフロードを走るために色々な機械装置が頑丈に、そして複雑に作られています。
結果として装置の作動が重くなり、エネルギーを多く使ってしまうので、燃費の悪化に繋がっています。
これもジムニーの「本格四駆」というコンセプト故の燃費損失なので、何となく理解できますし、好感も持てますね。
【新型ジムニーは燃費が悪い?その理由を徹底解説!】まとめ
(出展:https://www.suzuki.co.jp/car/jimny/styling/)
ここまで、新型ジムニーは本当に燃費が悪いのか?悪いとしてその理由は?について説明して来ました。
結論としては、ジムニーの燃費は悪いです。
昨今の軽自動車と比較すると、5~10㎞/L以上は低い印象です。
しかし、カタログ燃費同等の実燃費を発揮している点と、ジムニーオーナーがあまり燃費に期待していない事から、不満は少ない印象でした。
「ジムニーは燃費が悪い」と一言で言ってしまうと悪い印象を持ってしまいがちですが、燃費が悪い理由はジムニーがジムニーであるためには仕方のない愛すべき理由ばかりなんです。
- オフロードを力強く走るための装備を搭載したがための車重の重さ
- 重たいボディを力強く走らせるためのターボエンジン
- 車重、ターボエンジンを搭載するが故の時代遅れの4AT
- どんな過酷な条件でも走りぬくための頑丈な機械装置
全てはジムニーが本格四駆であるがための無くてはならない装備です。
この装備を搭載し、走りの楽しみを最大限に確保したがために燃費を犠牲にしています。
もし燃費が向上したとして、オフロード走行中に故障しまくるというリスクが増えては、走る楽しみを求めるジムニーのコンセプトからは大きく外れてしまいますよね。
他の軽自動車よりも5~10㎞/Lは燃費が低いですが、燃費以上の満足感をジムニーは与えてくれると思います。
燃費が低い事も愛すべき点だと捉えて、ジムニーに乗って走りを楽しみましょう!